「これで頭は黒々ふさふさになると思ったのですが、実際には、髪の毛がわずかに薄くなっているのではないかと思いました。」

「そこまでやっても効果がなかったのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。もしかして、まだ、陰の本が書道教室に残っているのではないかと思い探してみたら、本棚とか押入れに驚くほど沢山の陰の本が残っていました。息子が書道教室から持って来た本は３日で燃やすことができましたが、残っていた本を破いて燃すのに1カ月ほどかかりました。数えてはいませんが、１日３０冊燃やしたとして、９００冊ほど燃やしたことになります。」

「それでも、髪の毛は増えなかったのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、しばらくして皮膚が緩み、柔らかくなって、がちがちに痩せていた体つきが少しふっくらしてきました。皮膚には、治療しなくても気が流れている状態になりました。これなら、すぐに黒々ふさふさだと思ったのですが、半年しても、なんの変りもないというか、もしかしたら、わずかに薄くなっているのではないかと思いました。

それで、所蔵している本を１冊ずつ丹念に陰陽をチェックすると、陰の本がまだ残っていました。治療するうえで必要だと思って買った西洋医学書は全て強い陰でした。昔買ったゴルフの本も残っていて、分解写真が入っているために強い陰でした。分解写真が入っているスポーツの本は強い陰です。経絡治療や漢方の本も強い陰でした。東洋系の医学書で陰でなかったのは、治療に行き詰ったとき参考にしていた緑書房の『図説深谷灸法』と、医道の日本社の『臨床経穴図』と学研の『図説東洋医学』だけでした。」

「残っていた陰の本を全て燃やしても効果がなかったのですか」と町会長。　

「おっしゃる通りです。効果がないので、もう一度家捜しすると、なんと昔カラオケ練習用に買ったCDが強い陰でした。１００枚ぐらいはあったと思います。それをへし折って、燃やすと全身が緩みました。音楽用のCDは全て強い陰です。聞かないで所有しているだけで、耳の可動性が徐々に悪化していきます。

耳は全身と連動しているので、数百冊の陰の本を燃やして体が緩んでも、耳が緩まない限り、寝ている間に元に戻ってしまうのです。僕の場合は、作ったピラミッドにパワーがあったため元に戻りきらずにいたので、耳が緩んだ時点で、第一回目の若返りが完了したようです。」

「その若返りが完了しても、髪の毛は増えなかったのですか」と町会長。

「必ず増えると思っていたのですが、２、３カ月してもなんの変りもありませんでした。もしかしたら、茶室に陰の物があるのではないかと思って、のぞいてみたら、茶動具は全て強い陰でした。驚きましたね。一つ一つが強い陰なのです。陽好きの父と母の潜在意識は、茶道をすることで早く死のうとしていたのです。」

「茶道具は全て処分したのですか」と町会長。

「まだ、半分くらい残っています。」

「なぜ、全部処分しなかったのですか」と町会長。

2019/10/23

※僕が手に入れた『図説深谷灸法』は陽でしたが、現在販売されている改訂版は強い陰です。